弊社は相続をメインに不動産仲介をさせて頂いております。
当然に総合不動産業なので新築・中古戸建や土地、中古マンション、投資物件等の仲介も行っておりますが、「はじめに」でお話させて頂いた通り、国内の不動産会社の免許登録件数は全国のコンビニエンスストアの店舗数をはるかに凌ぐ125,000社以上あり、そのうちの売買仲介業を営む不動産会社も多数あり、あまり多くない売却物件を多数の不動産会社が重複して複数広告を出稿し競い合っています。
それではなぜ弊社は積極的に新築・中古戸建てや土地、中古マンションの売買仲介を広告して募集していないのか。
私は音楽大学を卒業後、「建築音響」という非常に珍しい分野の技術コンサル営業を経たのち、不動産業界に転職し17年、大手と小田急線、田園都市線それぞれ最大の不動産仲介会社に入社し、主に個人のお客様のマイホーム探しのお手伝いやご自宅のご売却のお手伝いをさせて頂いて参りましたので、新築・中古戸建てや土地、中古マンションの売買仲介は普通以上にはご対応させて頂けますが、新築戸建ての売買仲介はさほどスキルを求められることは少なく、それは売主が新築戸建ての販売を目的として土地を仕入れる場合、仕入れの売買契約時に重要事項にかかわる物件調査を経て仕入れているため、隣地との越境物や地中埋設物、境界確定、ライフラインや周辺環境の調査がある一定レベルで完了している為です。但し中には仕入れ時の調査が不十分だと不動産の購入後にゴミ置場や水道管が官地(区・市・県・国有地)を経由していて管の使用料を求められたりすることもあったりします。
そのように慌てて購入されると引き渡しを受け、住んでみて初めて知ることが多く、南側の空き地が2期分譲で3階建てが建築され陽当りが悪くなったとか、隣地の畑の塵埃が酷かったとか、季節によって田んぼのカエルが煩いとか畑の肥料の臭いに耐えられないとか、のちに訴訟になるような例もよく耳にします。
多くの営業会社では不動産購入の際にお客様が支払われる仲介手数料(販売価格より建物消費税を差し引いた金額×3.3%+66,000円=法定上限)の20~30%が営業担当者に支払われることが多く(完全歩合制もしくは一部歩合制)、例えば4,000万円の売買価額(販売価格より建物消費税を差し引いた金額)のお取引だと仲介手数料が1,386,000円(弊社だと554,400円)、そのうち415,800円が営業担当者の歩合となり、新築物件の多くの場合、売主からも仲介手数料が支払われますので、仮に昨日高校を卒業したような坊やや、前職が不動産に全く関係のない、実務経験やスキルの全く無い担当者がたまたま現地に居て、お客様が物件を気に入ってしまわれれば歩合給として70万円以上を頂けてしまうわけで、何軒もご案内することなく、その現地一軒だけご覧になられてお申し込み・ご契約することを「現地一発」「ラッキーパンチ」等と不埒な呼び方をし、そもそもそのような呼び方・考え方自体がお客様に対するリスペクトが足りていないのでないかと私は考えます。(余談ですが私は大嫌いな注射、マッサージ、家・車の購入は若い子よりもベテランを指名する派です。)